コンパッソ・ドーロ国際賞

のち輝く未来社会のデザイン

序文

ADI(Association for Industrial Design)は、イタリアのデザイン事業者全体を代表しています。企業、デザイナー、販売業者、専門家、学校、機関などが含まれます。

1954年以来、ADIは世界で最も権威のある賞の1つであるADIコンパッソ・ドーロ賞を運営し、推進してきました。

2014年に、ADIは「ADIコンパッソ・ドーロ国際賞」を創設し、国際的な参加を促すためテーマ別のエディションのシリーズを立ち上げ、常になく進化するデザインの新たな重要な側面を深く探求するため、毎回特定のテーマに焦点を当てています。大阪万博2025のイタリアGeneral Commissariatとのコラボレーションにより、コンパッソ・ドーロ国際賞の2025年特別エディションは、大阪万博2025のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」にインスピレーションを得たものです。授賞式は、日本の大阪で開催される大阪万博2025のイタリア館で置こなれ、コンパッソ・ドーロ賞を受賞した作品が展示されます。

このエディションは、大阪万博2025のイタリアGeneral Commissariatとの共催であり、大阪万博2025のテーマでもある「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマとしています。このテーマは個人の生き方に対する希望をサポートする持続可能な社会の計画に国際社会を参加させることに焦点を当てています。

この万博は、「幸せなライフスタイルとは何か?」という問いに答えようとする試みです。この万博のテーマにおける「いのち」には、人間だけでなく、人間を取り巻く生物と自然を広く含む意味が込められています。

そのため、この全体テーマは以下の3つのサブテーマに分かれています。

  • いのちを救う:これは個人の命を守り、救うことを意味します。このサブテーマは、公衆衛生の向上による感染症対策、自然災害や地球規模の災害の予防とリスク低減のための取り組みによる安全の確保、自然との共生などと関連づけることができます。

 

  • いのちに力を与える:人々の生活を豊かにし、ポテンシャルを広げることを意味します。関連するテーマとしては、ICT(情報通信技術)を活用した質の高いリモート教育、適切な運動と食事による寿命の延長のための健康的なライフスタイルの推進、AIとロボットの活用による人間のポテンシャルの最大化などが考えられます。

 

  • いのちをつなぐ:コミュニティを築き、社会を豊かにするために個人の生活をつなげることを意味します。このサブテーマは、パートナーシップと共創の力、ICTによって可能になる高度なコミュニケーション、データ駆動型社会の設計などのトピックをカバーします。

この賞に応募できるのは、現在市販されている製品、製品システム、サービス、イベントであり、大阪万博2025の参加国に限ります。この情報は、主催者が用意した以下のリンクでご確認いただけます:

https://www.mofa.go.jp/ecm/ec/page22e_000942.html

全体テーマ(「いのち輝く未来社会のデザイン」)および万博サブテーマのカテゴリーに該当し、2020年1月1日から2024年12月31日までの間に発売された製品であれば、応募可能です。

応募する製品は以下のカテゴリーに該当する必要があります。

  1. 生活のためのデザイン:家庭用家具と付属品、浴室の設備と付属品、キッチンの設備と付属品、家電用電化製品と電子機器、ホームオートメーション制御システム、屋外および庭園用家具、造園設備、街路設備、素材と表面、冷暖房システム。
  2. 照明のためのデザイン:公共または民間の屋内および屋外用照明器具、技術照明システム、大型照明、街路照明。
  3. 移動のためのデザイン:空路、海路、および陸路での個人および集団の移動手段、自転車と自転車用アクセサリー、自動車とオートバイ、キャンピングカー、ボート、列車と航空機、代替モビリティ、交通安全、モビリティアクセサリー。
  4. 仕事のためのデザイン:仕事用とオフィス用の家具と付属品、業務用電化製品、仕事のための移動手段、産業用の機械と部品、ソフトウェア、仕事のための工具と機器、地域社会用の家具と機器、医療と福祉用の工具と機器。
  5. 個人のためのデザイン:衣類、スポーツ用の機器、福祉および個人的衛生用品、携帯電話、PDA、MP3プレーヤー、家電製品、子供向けのゲームと商品、個人用プロテーゼおよび医療機器、宝飾品類。
  6. 食文化に関連するデザイン:コミュニケーション、包装、サービス、食品の販売と消費に関連する場所、食品の調理と使用のための商品と道具、食品、食器。
  7. サービスおよびソーシャルデザイン:市民利用者/機関/サービスの関係を改善するための公共および民間主導のプロジェクト、地域社会のための持続可能な経済の発展のための共有、歓迎、および参加のためのシステム、行動変容を目的としたプロジェクト、より大規模な社会的関与のための戦略。
  8. コミュニケーションのためのデザイン:ソーシャルキャンペーン、コーポレートアイデンティティ、出版グラフィック、情報デザイン、包装、タイプデザイン、ビデオグラフィック、ウェブデザイン、マルチメディア。

万博2025に参加する各国のデザイナーと企業は、ADIコンパッソ・ドーロ国際賞に参加できます。候補製品は、2に記載された期間中に市販されているものである必要があります。

オンラインフォームに記入して応募できます。

ウェブサイト(www.compassodorointernational.com)でアクセスできるデジタル参加フォームは、製品/サービスの候補とプレゼンテーション用にデザインされており、写真と説明の提出、製品/サービスのイラストを英語で表現した60秒以内の短い動画(スマートフォンを使用して録画したものでも可能)のアップロードが求められます。上記の素材の物理的特性は、オンライン応募フォームで明確に説明されています。

ADI 2025コンパッソ・ドーロ国際賞への参加応募期間は2024年9月16日~2025年3月10日です。ADIは、製品推薦の期日を延長する権利を有します。

コンパッソ・ドーロ国際賞への参加には、推薦製品1つあたり計1,000ユーロの参加料が必要です。参加料は、ウェブサイトで直接応募フォームを提出したときに支払う必要があります。支払いが完了すると、フォームは変更できなくなり、入力されたすべてのデータは、この賞の目的に使用および公開が可能であるとみなされます。

候補製品/サービスの選考と評価は以下の2段階で行われます。

  1. 初期段階では、ADI実行委員会がテーマとの関連性を分析します。この段階を合格できるのは、賞のテーマと応募要件に合致している製品/サービスのみです。ADI運営委員会が、受領した応募の数と具体的な性質に応じて、テーマ別の事事前選考委員会を設置する権利を有します。

    この段階の終了時に、すべての参加プロジェクトに速やかに結果が通知されます。

  2. 第2段階は、下記の6で言及されるコンパッソ・ドーロ国際賞審査員団による最終評価です。

第1段階の分析に合格した商品/サービスの中から、審査員団は以下の受賞作品を選びます。

  • 極めて卓越していると判断された応募作品に授与されるコンパッソ・ドーロ賞(20作品)
  • 1と2に記載されたテーマとカテゴリーに照らして卓越していると判断された応募作品に授与されるコンパッソ・ドーロ特別賞(最大50作品)

受賞作品は、関係政府機関(文化省Regional Superintendence)とのパートナーシップの下、ADI基金によって管理し、ADIコンパッソ・ドーロ・ヒストリカルコレクションの永久的な要素とするため、分類されます。

特別賞に選ばれた製品については、将来的にADIが展示できるようにADIとのパートナーシップの下、メーカーが保管することを約束します(費用はメーカー負担)。

審査員団は、ADI実行委員会によって、イタリア内外の有識者の中から選出および任命された5名の審査員で構成され、デザインに加え、指定されたカテゴリーに関連する補完的なスキルを代表することを目的としています。

この賞にノミネートされた製品/サービスを所有している者や、この賞に参加する企業またはデザイナーと個人的な関係または業務上の関係がある者は、審査員に任命されません。

審査員長は、最初の会議で審査員団から選出されます。各審査員は1票の投票権を有します。投票数1位タイの作品が複数あった場合、審査委員長の投票は2票分として扱われます。

審査員団は、過半数の審査員から好意的な票を得たプロジェクトに賞を授与します。審査員団の決定は最終的なものとします。

審査員団は、具体的な技術、環境、規制、経済に関するトピックに関して、ADIが指定する専門家(投票権を持たない)に相談できます。法的な問題に関して、審査員団は、デザイン審査員長が指定する専門家の介入を要請できます。

審査員団は、以下の役割を担うものとします。

  • 本規則に定められた審査基準に従って応募作品を評価すること
  • 審査基準に照らした受賞理由を説明すること(受賞製品/サービスについてのみ)
  • 選考と分析した部門に関する一般報告書を作成すること

審査員団の決定は最終的なものとします。

審査員団(および受賞作品を知るすべての者)は、コンパッソ・ドーロADI国際賞の授賞式が行われるまで、完全な秘密を保持することを約束するものとします。

授賞式は、2025年9月5日に日本の大阪にて、万博のイタリア館で開催されます。日程は、ADIの都合により、変更になる可能性があります。授賞式では、コンパッソ・ドーロ賞を受賞した製品が展示されます。

ADIは、展示とその展示方法について全責任を負うものとします。ADIは、展示される作品に基づいて展示方法を評価する権利を有します。

管理方法と発送方法は、受賞作品が作られた国と製品のサイズに基づいて評価されます。

10.1 データの正確性

応募者が編集したデータは、選択された作品に関連するすべての出版物において、ADIが定めるコミュニケーション要件に従い、提示された形式であらゆる目的に使用可能であるとみなされるものとします。フォームの記入者は、送信されたデータの真実性と正確性に関して全責任を負い、そのデータの事後的な修正に必要な一切の費用については関係者が全責任を負います。第三者を代表して証明されたクレームにより、ADIが公開されたデータの修正または削除を進める必要がある場合、いかなる費用についても、ADIに当該データを誤って提供した者が全責任を負います。

10.2 第三者の権利の侵害に対する責任

候補となる製品、システム、サービス、研究、または調査の新奇性と所有権は、応募者が証明するものとし、ADIはここに、申告された内容に関していかなる種類の検証も行わないことを宣言します。

そのため、第三者の権利、特許、商標、著作権、またはその他の所有権の侵害については、申告者が全責任を負うものとします。申告者はここに、その結果として生じる可能性のある経済的結果および/または損害を含むいかなる好ましくない結果からもADIを補償しかつ無害に保つことを約束するものとします。

また、参加者は、提示された製品、システム、サービス、研究、または調査が、他者の作品の複写または改変ではないことを保証するものとします。第三者によってこの保証が真実ではないことが証明された場合、ADIは、受賞を取り消し、あらゆる出版物から当該文書資料の即時削除を進め、以後、当該候補資産の真の所有者への自動的な受賞対象の移行を進めることはできないことを明記する権利を有します。

10.3 文書資料の使用

応募とともに送付されるすべての資料は、公開可能であると想定されます。ADIは、選考手順の一環として、そのすべてまたは一部を使用し、この賞に関する出版物とカタログ、ADIのウェブサイト、ADIボリューム(ADI volumes)の公開およびADIコンパッソ・ドーロ賞を特集する展示会に関連するイベントに関係するメディアへのコミュニケーションにおいて、そのすべてまたは一部を複製する権利を有するものとします。

応募者はここに、すべての資料(テキストおよび画像)を、使用されるさまざまな機器のコミュニケーション要件に従って自由に調整することを許可するものとし、それにより、第三者の権利侵害に関するいかなる責任からもADIを免責し、無害に保つものとします。